FOCUS 保健師制度再考
「保健師」へのニーズに応えるために―保健師を専門看護師として位置づけるべきときではないか
坪倉 繁美
1
1厚生労働省看護研修研究センター
pp.330-333
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100058
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保健師制度の再考の歴史
保健師の制度は過去数回論議されている。古くからある課題でもあり,いままた新しい課題として再考していく必要があると感じる。
現行の保健師助産師看護師法は,昭和23年に保健婦助産婦看護婦法として制定された。戦後GHQ公衆衛生福祉部に看護課が設置され,オルト少佐が看護課長となり,日本の看護の指導者として保健婦助産婦看護婦法も制定した。原案の段階では,アメリカの「ゴールドマーク報告」の考えに影響を受けたものであり,臨床看護,助産,公衆衛生の3分野を統合し3年間で教育することが合理的であるとした考えから,「保健師法案」として,その草案が審議会に提出された。しかしながら3年間の教育が長すぎて看護職が確保されないという理由や政治的な綱引きもあり,実現に至らなかった。かたちを変えて看護師は甲種と乙種に,保健師や助産師は甲種看護師の教育修了後に行うものになった。
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