連載 金丸弘美の食をめぐる旅・14
「漬け物」名人
金丸 弘美
1,2
1NPO法人メダカのがっこう
2ライターズネットワーク
pp.103-105
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100007
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ずっと会ってみたくて,ようやく現地に訪ねることができたのが,漬け物名人の群馬県渋川市の針塚藤重さん(68)である。自家製麹を使って浅漬けの白菜,たくあんなどを作っている。素材が生きていて,野菜のうま味が麹の甘さとからまって,味わい豊かな漬け物だ。歯触りもいい。とくに大根漬けは大根の白さとぱりぱりという歯ごたえ,大根の辛みと麹で引き立った甘みとのバランスが絶妙なのである。
しかも針塚さんはサービス精神旺盛で,漬け物に本枯節のかつお節・本醸造の醤油をかけて食べさせてくれた。それに純米酒・地元の鰻重まで出て,いたれりつくせり。素材のいいものは、どれもこれも極上なのであった。
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