特集 先端医療で見えてきたもの—臓器移植・安楽死・体外受精をめぐって
鼎談/臓器移植を通して生命と医療を考える
藤原 秀
1
,
波平 恵美子
2
,
杉本 健郎
3
1胆道閉鎖症の子供を守る会事務局
2九州芸術工科大学文化人類学
3関西医科大学男山病院小児科
pp.234-247
発行日 1989年3月1日
Published Date 1989/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923192
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先端医療でよりはっきりと見えてきたもの
藤原 「胆道閉鎖症の子供の会」を始めて15年が過ぎたところなんですが,3年前から重症の子供たちが海外で肝臓の移植手術を受けるようになりまして,それまでとは会の活動が,何かこう一変したような感じがしています.
私は会のお手伝いはしていますが,胆道閉鎖症の子供を持っている親ではない.で,これまでずっと,厚生省とか主治医とかいろんな立場の方々に患者家族の代弁をするような機会が多くて,そういう時には,藤原さんは患者家族じゃないからそんなに強く言えるんだと,ある意味で評価されたり,逆に,子供の病状が重くなってきたり,家族の間でトラブルが起きてきたりということで何か発言すると,藤原さんは患者家族じゃないから,という言い方で今度は閉ざされてしまう.そうしますと,いつも何だか私はアウトサイダー的な違和感を感じるわけですね.
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