海外の看護
ネパールの看護事情
川島 淳子
pp.77-81
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911861
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東洋の神秘の国,閉ざされた王国,おしゃか様の生誕の地などといわれるよりも,日本のみならず世界中のアルピニストにとってはあこがれでしかないこのネパールに落ち着いてから,半年が夢のように過ぎました。カルカッタからカトマンズに向かう飛行機から眺めたエベレスト山の雄姿に夢中になってカメラのシャッターを押しまくり,さてカトマンズ飛行場に降り立ってみれば,小高い丘のてっぺんに至るまで段々畠が畝をなし,白雪でおおわれた神秘そのもののヒマラヤ連峰が,ぐるりとこのカトマンズ谷をめぐり,しばし呆然と立ちつくしたのでしたが,そのネパールも今は雨期,これで三か月毎日のように雨が降り続いております。あと1か月は続くとのこと,日本の梅雨は何となくうんざりと感じられたものですが,ベッドに寝そべりながら雨だれの音を聞き,時には姿を現わすランタン,ヒマールの白峰にうっとりと見とれながら,いつしか夢境をさまようのもまんざらではありません。
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