ビバ!ラプラタ アルゼンチンの日系人とともに・8
健診センターでの日々
藤原 美幸
pp.946-948
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922799
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親切な事務員は3世の医学生だった
健診センターでの毎日は,新しい人たちとの出会いはあったが,仕事そのものは慣れてしまえばさして目新しいこともなく過ぎていった.診療はほとんど午前中のみで終わり,午後からは専門医がくる日でなければ訪れる人も少なく,あまり楽しくはない会計の仕事をしたり,共済会の会貝台帳を整理したりしていた.
私のほかに,大抵の場合,事務員が1人か2人はいた.この事務員の入れ替わりが頻繁で,お互いに慣れたと思った頃には,いろいろな理由で辞めていってしまい,また新しい人がやってきた.2世,3世の若い女性が事務を行っていたこともあったが,私と一緒に働いていた人の大半は,日本から移住してきた人や,あるいは一時的に仕事をする日本からの旅行者であった。私が着いて間もない頃にいた男性の事務貝はスペイン語が十分に話せず,アルゼンチン人の患者がきたり電話がかかってくるごとに,2人で‘どうしよう,わからないな’と両方の言葉に通じる人をさがすのに四苦八苦していた.
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