学生の眼
看護学生と付き添いとのラポールを考える—大腿骨骨頭壊死患者の術後看護をとおして
高桑 久恵
1
1石川県総合看護学院第1看護学科
pp.312-315
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922740
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はじめに
指先でぽいとほうり出された虫が,ひっくり返って足をモガモガさせ,やがてどうにか起き上がり,なんでもなかったようにゆるゆると動き出す.人間の生き方も,これと似た側面をもっているように思われる.私は,臨床実習をとおして,数多くの患者に接することにより,多くのことを考えさせられ,教えられた.
私が臨床実習の中でいちばん苦労したのは,患者とのコミュニケーションをとることであった.‘対人関係というのは,単なるテクニックではない.根本は,相手の人間性を尊重するヒューマニスティックな真心と誠意である’と,ある本に書いてあった.思いやりのある看護に徹し,真心と誠意を持って接すれば,多少口べたでも,どのような患者との問にも,よい人間関係をつくることができると信じる.
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