PROFILE
田中光三—スウェーデンの慢性疾患病院で老人看護を行なう看護士—『人生の巡り合わせで,いつの間にか看護の世界に』
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pp.1219
発行日 1989年12月1日
Published Date 1989/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922431
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小田実という作家・評論家を知っている方はどれくらいいるだろうか.1950年代にフルブライト給費留学生として米国にわたり,旺盛な好奇心で世界を見て歩いた記録を著書『何でも見てやろう』にまとめた行動派の“知識人”である.知識の大部分を活字情報に頼っていた60年代の若者にとってこの本は,小田氏の奔放な生き方そのものへの共感に加えて,自分の目で世界を見ることの面白さを教えてくれた青春の指南書でもあった.
60年代後半から70年代にかけて,日本ではベトナム反戦運動,学園闘争,70年安保闘争と,学生運動の高揚期が続いた.しかし,そんな中で燃焼しきれないエネルギーを抱え込んで,海外への放浪に旅立った若者も少なくなかった.田中さんもそういう時代の洗礼を受けた1人だった.
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