ベッドサイドの看護
看護ケアとしての間歇的高カロリー輸液を考える—末期患者の一症例を通して
茂 雅美
1
,
広瀬 育子
1
,
松田 恵子
1
,
坂田 加代子
1
,
中村 卓子
1
1金沢大学医学部附属病院2-1病棟
pp.1103-1108
発行日 1989年11月1日
Published Date 1989/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922408
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はじめに
末期患者の医療は,「患者が,心安らかに苦痛のない状態で,充実して24時間の生活を送ること」を目標として,種々な工夫がなされてきた.その1つとして,末期患者の栄養管理である高カロリー輸液法(以下,IVH)が進歩し,今日では一般化されるようになってきた.IVHの普及は,患者に栄養改善をもたらし,延命に大きく貢献したと言える.
しかし一方で,IVHは,長期間の24時間持続的な輸液注入であるがために,患者への種々な苦痛をもたらしていることも報告されている.苦痛の主なものは,堀ら1),瓢子ら2)が,報告しているが,①24時間の輸液注入による弊害(主に頻尿,血糖値異常),②ラインによる行動制限(行動範囲の狭まり),③前記①,②による不安(抜けないか,輸液がなくならないか等),不都合さ(不眠,食欲不振等)が挙げられる.
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