特集 眠れぬ夜のために—患者の不眠を考える
病院の夜—夜勤専門看護婦のつぶやき
水上 學
1
1七里病院
pp.779-782
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922337
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安眠は心のキューピッド
私が夜勤専門看護婦になろうと決意した理由の1つは,私自身が最悪の不眠症であったことです,私は,看護婦でいながら内科的疾患もあり,過去数回の闘病期間中にはかなりの苦痛を味わうとともに,その不眠での対策に苦慮する医師・看護婦泣かせの患者だったのです.退院して社会復帰した暁には,そのような苦い体験をなんとか現場で生かすことができぬものだろうかと,いつも思い続けていました.そして真剣に考えた末に,夜勤専門看護婦として働くのが,私にとって一番自然な姿ではなかろうかと,思うに至ったのです.
夜勤は御存じのように,その業務内容は日勤以上の多忙を極めることが多く,単に就寝中の患者さんの姿を見届けるにとどまるという日は,年に数える程しかありません.そんな中,月日のたつのは早いもので,気が付いてみると既に3年半もこの夜勤業務に携わっていたことに,私自身驚いています.
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