連載 現代看護の諸問題・1【新連載】
看護婦の夜勤とその制限
大山 正夫
1
1日本医療協医療対策部
pp.46-50
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護婦の夜勤は宿命か
最近,夜勤の問題が看護婦問題の当面の焦点として,旧態依然たる病院や医療制度をゆり動かしてきている。これは何も理由なしにそうなったのではなく,全く歴史的必然にほかならない。というのは第1に既婚者数が著しく増加してきた。戦後の組合活動によって看護婦の全寮制を撤廃させ,通勤,結婚,出産の自由を獲得し,看護協会の会員実態調査によっても昭和30年には既婚者が約2割だったのが,40年には4割6分に達し,看護婦だけをとると5割8分が既婚者となっていた。したがって当然家庭生活と夜勤の矛盾がきわめて深刻化してきたのである。
第2に看護婦が人間らしく生活し,女性としての権利が保障されるべきであるという民主的な運動がたかまったことである。夜勤による生活破壊,健康破壊は看護婦自身を半病人にし,退職者を増加させ,看護そのものを破壊していることに眼をむけ,看護を専門職として確立するためにも夜勤問題を改善しなければならないとする運動が全国的にひろがってきたことによる。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.