連載 ワットさんのペーシェントロジィ[今,患者が主役の時代]・15
社会音痴
ワット 隆子
1
1あけぼの会
pp.596-599
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922296
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あけぼの会では毎月1回,東京新宿のビルの一室を借りて,乳がん無料相談室を開いている.がん保険のアメリカンファミリー生命保険会社が大きな会議室を無料提供してくれていて,お陰でもう6年半も続いている.東京だけでなく地方でも熊本,神戸などでやはり同社の一室を提供してもらって,定期的に相談室を開くようになっている.相談に訪れる人は乳がんの手術前後の患者が主だが,たまに患者の家族や恋人であったりもする.一方,相談を受けるのはあけぼの会の先輩体験者が主で,そこにナースが加わって補佐してくれていて,医学的な質問のある人に応じている.
ある地方の相談室でのことだが,看護大学の先生に相談員になってもらったことがあった.50代半ば,独身,自らも乳がん体験者.あらかじめお願いしてあったので,張り切って位置に着いてヨーイドン,悩める訪問者を迎え始めた.
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