連載 ケーススタディ[ナースのための心理的アプローチ]・6
「おしっこでちゃった」と大声で泣くHちゃん—母子分離・長期入院による〈退行〉
松田 文雄
1
,
黒光 美紀子
2
,
石橋 冨美子
2
1東海大学医学部精神科
2東海大学病院小児科病棟
pp.530-533
発行日 1989年6月1日
Published Date 1989/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922283
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Hちゃんのプロフィール
生活歴:入院前の日常生活習慣に関しては,衣類の着脱,洗面,歯磨きは自分ではできないが,排泄は自分で教えることができ,親が少し手伝う程度に自立していた.夜尿が認められたが,発達発育歴上の問題はなく,性格は恥ずかしがり屋で,少し頑固であると母親よりの情報があった.
経過:2歳6か月時,眼瞼の浮腫,乏尿が出現し当院受診.低タンパク血症,高コレステロール血症を認め,ネフローゼの疑いで入院となった.入院後,各種の検査を施行したが,ネフローゼの診断基準を満たさず,診断が確定しないため腎生検を施行.その結果,増殖性腎炎と診断された.その後,プレドニン療法を開始し,入院後約6か月を経て退院となった.
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