連載 ワットさんのペーシェントロジィ[今,患者が主役の時代]・22
看護は感度
ワット 隆子
1
1あけぼの会
pp.76-79
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900036
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教育,教養,人格,人間性
良い看護婦になるためには,良い教育を受け,高い教養を身に付け,立派な人格形成に励み,人間性豊かな人間たらんとすること.そして,良い看護とは,患者の身になって看護するということ,そのことを自分が病気になってつくづく実感した.実際病気になってみなければ,病人の心理はわからない.南無妙法蓮華経.
あたかもお題目のように唱えられている“良い看護婦と良い看護”の条件だが,こんな条件をすべて満たす人がいたら会ってみたい.そりゃ,ナースたちが十分な教育を受け,社会勉強もし,人生経験も積んでよく出来た人であるに越したことはない.患者にとってもありがたいことで,安心して身をまかせられるのだが,問題は,病気はナースの事情に合わせて発生しないということ.こうして書いている間にだって,現に手術を受けたり,がんの末期症状に苦しんだり,救急車でかつぎ込まれている人たちがいる.病気は待ったなし.ナースが人間的に成長するのを悠長に待っているわけにはいかないのだ.
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