連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・32
ケアにおける信頼関係とは
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2日本老人福祉財団
pp.398-401
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922253
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信頼関係を築く?
ナースやヘルパーとケアプランを立てていて以前から気になっていた言葉に,「信頼関係」というのがある.ケア目標を決める段になって「信頼関係を築く」という意見が出され,みんなが簡単に同意する,この意見は,ケア対象者への対応に苦慮しながらもその問題が今一つ絞り切れないような時によく出され,発言者はヘルパーよりもナースが圧倒的に多い.
私たちの場合は老人が対象になるのだが,こうした傾向が見られるのは老人だから,と考えるのは誤りである.むしろこれはナースの側の問題のようであり,一般病院のように医療モデルで成り立っている場合に比べ,生活援助を目的とするところでの老人を対象にするが故に,ナースの問題であることが理解しやすいのである.
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