特集 査読者の視点を学ぶ─質的研究論文のための査読セミナーから
査読を経て論文はどう変わるか
[模擬査読において得られたことと査読をめぐって考えること・3]
査読者と投稿者が信頼関係を構築するために
新家 一輝
1
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.36-40
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201472
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言語化された査読基準
私は今回,自身が査読を担当している各学会誌の編集委員長より案内をいただき,セミナーに参加することとした。案内にあったセミナー講師陣のお名前を拝見し,看護のなかで質的研究がどう扱われようとしているのか,また何をめざしていくのかといったことについて,直接話を伺うことができるチャンスであると捉えた。また,査読者としてはもちろん,投稿する立場にある者としても強く関心をもった。
これまで私は,自身が携わる領域の論文を読んできたなかで幾度となく,研究報告などの形式で掲載されている論文に原著論文以上の価値を感じたり,その逆も然りだったりで,いったいどのような基準で査読や編集がなされているのか疑問に感じていた。また,一投稿候補者として,基準のつかめなさに不安を抱いてきた。もちろん新しいことに挑戦していこうとする限り,今後も持ち続ける不安だとは思うものの,セミナーに参加したことで,看護がめざす先について,その一端を共有できた感覚があり,これまで以上に勇気をもつことができたように思う。
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