連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・29
老いと夫婦[2]
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2(財)日本老人福祉財団
pp.86-89
発行日 1989年1月1日
Published Date 1989/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922186
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私たちは前回,老いと夫婦という問題設定がその重要性にもかかわらずなぜ成り立ちにくいのかを,方法論上の問題と共に明らかにした.そして,一方の配偶者が身体的,精神的に衰えた時,元気な方の配偶者が取った行動例をいくつか提示した.
弱った夫のふがいなさを責め立てる妻にしても,‘ボケ’た夫を周囲の目から必死に隠そうとする妻にしても,問題は単に彼女らが衰えた夫の姿を受容できないと言い切れるほど,単純ではないのではないかと指摘したのである.
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