連載 COLOR ATLAS—徴候から理解する脳のしくみと働き・18
脳神経の障害[3]—眼球運動異常・2
馬場 元毅
1
1東京労災病院第2脳神経外科部
pp.836-839
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922073
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先月号では,眼球運動を支配する第3,4,6脳神経の障害について学びました.これらの脳神経が一側性に麻痺すれば,その支配下の眼筋も一側性に麻痺し,複視が生じることは理解して頂けたことでしょう。すなわち,先月号では末梢性の外眼筋麻痺による単眼運動の障害について学んだわけです.
ところで私たちは物を見る時に当たり前のこととして両方の目で物を見つめたり,追いかけたりしていますね.一側の眼球運動が麻痺して初めて,物を見るために両側の眼球が同時に運動していることの不思議さに気付くのではないでしょうか.私たちがちっとも不思議に思っていなかったこの眼球運動のメカニズムは非常に複雑で,いまだに明らかになっていない部分も多いのです.
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