連載 在宅看護への道・14
看護婦の商法(?)事始め
村松 静子
1
1在宅看護研究センター
pp.426-429
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921975
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■事務所探し
とにかく施設を離れ,独立することを決意した私は,仕事のかたわら事務所探しを始めた.事務所は交通の便が良い東京・新宿区の高田馬場に置くことに決めていた.高田馬場は共に仕事をする3人が通勤しやすい場所でもあった.条件としては駅から近いこと,エントランスが広く感じが良いこと,室内の日当たりが良く使いやすいことである.4件ほど見て歩いたが,最初に紹介してもらった所が条件が揃っていそうだった.しかし,これまでに部屋探しという体験が全くない自分の判断だけではどうしても心細く,夫にも別のルートで探してもらっていた.結局は,2人とも同じ物件に目が止まり,一緒に部屋の中をのぞかせてもらうことにした.
入口が素敵な新築の11階建てのマンションである.エレベータの前には,会社の看板がズラリと並んでいる.9階と4階の2部屋が空いているという.両方とも南側がベランダになっており,日当たりが良く明るい.室内の雰囲気も良い.台所の位置が異なっていることと,9階と4階なので外の景色がだいぶ違う印象を受けたが,いずれにしろほぼ条件が満たされていることから,とても気に入った.どちらを選ぶかは要するに好みの問題だった.私は4階の方を選んだ.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.