連載 西村かおるの訪問看護留学記—英国編・14
日本のナースを外から見れば
pp.200-203
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921928
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怒りの序奏
9,10,11の3か月間,イギリスでは国際学会が相次いで開催された.今,一番のお金持ちと思われている日本のナースたちも,貧しい時間を必死でやりくりして学会参加のために次々と飛んで来る.なんせ,普段日本語を喋る相手が受話器以外ない私にとって,看護の話を日本語でできるなんてゆ一のは,全く指折り数えて待つ遠足前の気分.はあやく来い来い日本のナース.
で,まず現われたのはホームバース(home birth)の第1回国際学会に出席の助産婦軍団.ちょっとばかし,余談になるのですが,私はお産を家ですることに決めているのです.それはもう2年も昔に決めてたことで,今回来たF女史に取りあげてもらう約束もすでにしてある.というのも,家で亡くなる患者さんのケアをし続けていて,在宅死は今の日本ではかなりの勇気と独立心と,その人の生きざまがもろに出るものだと知ったことからきてる.ケアをし続けているうちに,ケアをされてみたい,自分も経験してみたい,と思うようになってはいたが,死に関しては何とも予測がつかない.突然,食あたりで死ぬかもしれないし,こうも移動していると事故死の可能性だってあるし,第一,美人薄命ってゆーし…….
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