連載 COLOR ATLAS—徴候から理解する脳のしくみと働き・11
運動麻痺[5]—脊髄の運動神経のしくみと働き
馬場 元毅
1
,
杉浦 和朗
2
1東京労災病院第2脳神経外科
2東京労災病院脳神経外科部
pp.108-111
発行日 1988年2月1日
Published Date 1988/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921908
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これまで4回にわたって大脳から末梢方向に向かって錐体路をたどり,その部位ごとの障害について学んできました.いよいよ最後の部位として脊髄に到達したのですが,このシリーズでは,まだ脊髄についての詳しい説明を行なっていませんので,今月はまず脊髄のしくみについて学ぶことにします.
脊髄は,頭蓋内の脳とは延髄で境されて,中枢神経系の一部を構成しています.上方(解剖学的には吻側といいます)から下方(尾側といいます)に向かって頸髄,胸髄,腰髄,仙髄,終糸に分けられており,それぞれの髄節から頸神経8対,胸神経12対,腰神経5対,仙骨神経5対,尾骨神経1対,計31対の脊髄神経が出ています(図1).
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