連載 西村かおるの訪問看護留学記—英国編・13
国際失禁学会見聞録
pp.96-99
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921906
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
9月1日の早朝,チュニジアからドイツに帰って来た私はその日の夜にはロンドンに飛ぶという忙しい狂人の生活に突入した.その次の日からはロンドンより列車で2時間ほど離れたブリストルで開かれる国際失禁学会(International Continence*Society;ICS)に出席する.夜中,あわてて荷物を作る.私の脳細胞は完全にチュニジア色に染まって,相変わらず灰色の雨の英国で何を着ていいのかさえ,わからない.おまけに,読み続けた日本語のために英語も出てこない.不意に友人に声をかけられて,ろくにしゃべれもしない,フランス語で返事が出たりする.社会復帰もままならないまま学会に出て大丈夫だろうか?と不安を持ちつつインターシティに乗り込んだ.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.