連載 COLOR ATLAS—徴候から理解する脳のしくみと働き・4
脳ヘルニア[2]—脳ヘルニアの病態
馬場 元毅
1
1東京労災病院第2脳神経外科
pp.628-631
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921751
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先月号では脳ヘルニアの発生のしくみについて学びました.復習のつもりで脳ヘルニアとはなんだったかを要約してみますと,①脳という柔らかい組織が頭蓋骨や硬膜といった堅固な組織で包囲されている,という基本的な構造のもとに,②何等かの原因で急激に生じた頭蓋内スペース間の圧の差のために,脳組織が圧の高い方から低い方へと偏位し,その一部が狭い開口部の隙間に嵌入する現象を脳ヘルニアといいます.③このためにこの開口部にもともとあった脳組織が圧迫されたり,歪んだりして損傷され,意識障害や呼吸障害などの重篤な症状を来してしまいます.
さて,今月号では日常臨床でみわれる脳ヘルニアの病態について話を進めたいと思います.
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