和漢診療の実際・11
少陽病の治療について
寺澤 捷年
1
1富山医科薬科大学附属病院和漢診療部
pp.1290-1293
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921571
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前回は太陽病についてお話しした.数多くの病気は太陽病から始まる.外邪の力もほどほどで,治療方法もピタリと当たれば病気は治ってしまう.読者の皆さんも,カゼ引きの治り方は体験なさっていると思うが,それはシットリと心地よい汗が全身に出て,今までのダルさや痛みがスーッととり除かれるものである.このように全てがうまく行けば名医である.
しかし,外邪の力が強力であったり,生体の側の気血水の要素に欠陥があったり,治療方法を誤ったりすると,病気はさまざまにその姿を変える.もっとも普通には太陽病から少陽病へのコースをたどることが多い.つまり病変の主座が‘表’から‘半表半裏’へと進入することになる.
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