癌と駆けっこ・9
腸閉塞の発病と直腸癌の発見
刑部 慶子
pp.1044-1047
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921518
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腸閉塞?!
1984年6月1日,未明に私を襲った嘔気と腹痛はまる1日たっても止まらなかった.夜中にひどい腸の癌痛を何度も何度も繰り返し,下痢便が出るのかと思うとなかなか出ず,数時間皆しんだ末,ようやくかなりの量の便が出た.しかし,嘔気は止まず,胃が空になってしまっても,何度も何度も吐いた.熱は37.8℃だった.初めは,息子が1週間前,同じような症状の風邪をひいていたので,それがうつったのかと思っていた.
そのうち,お腹が異常に張り,ガスが溜まっていることがわかり,夫と2入で,もしかすると,ついに腸閉塞がやって来たのかもしれないと話し合った.しかし,腹部の聴診では,典型的なイレウスによる金属様の音は聞こえていなかった.
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