研究と報告
癌化学療法患者を対象とした看護記録の向上—パンフレットの作成と看護記録のセミナーを通して
沢村 のり子
1
,
高橋 幸子
1
,
草野 弘美
1
,
梅原 ひとみ
1
,
岩垂 まゆみ
1
,
新野 さつき
1
,
岡田 久江
1
,
増永 よし子
1
,
横山 貞枝
1
1国立がんセンター呼吸器内科
pp.786-792
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
よりすぐれた看護のためには,より正確かつ詳細な看護記録が必要なてとはいうまでもない1)2)3).我々は,強力な抗癌剤であるシスプラチンを中心とする化学療法を受けた患者の消化器症状を左右する因子を分析するとともに,患者の不安の軽減および食事指導を中心とした看護援助の強化のためパンフレットを作成しその効果を分析してきた4)5)6).またパンフレット作成と同時に“看護記録”(川島みどり著,看護の科学社,1979)をテキストとしセミナーを開始した1).
本研究は患者にパンフレットを配布したてと,およびセミナーに参加したてとによる,看護記録の量的および質的向上の有無を検討することを目的とした.また看護記録の向上により①患者の状態を正確に把握しうるようになるか否か,②患者とのコミュニケーションが増加し得るか否かを明らかにすることも目的とした.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.