特集 癌治療に伴う副作用との闘い
シスプラチン投与を受ける患者へのより良い看護を目指して—嘔気・嘔吐を軽減するための要点と食事指導
高橋 幸子
1
,
沢村 のり子
1
,
船木 裕子
1
,
梅原 ひとみ
1
,
増永 よし子
1
,
横山 貞枝
1
1国立がんセンター病院呼吸器内科病棟
pp.185-188
発行日 1985年2月1日
Published Date 1985/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923028
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はじめに
固型癌に対するシスプラチン(cis-Diamminedichloroplatinum:CDDP)の有効性が証明されるに伴い,CDDPは多数の施設で使用されるようになってきている.われわれは,CDDP投与の対象となる患者が,快適な治療を受けることができるように,C-DDP投与症例における副作用を分析するとともに,90%近い症例に認められる食欲不振,嘔気,嘔吐の消化器症状を左右する因子を分析してきた.その結果,男性は女性より,高齢者は若年者よりCDDP投与時の嘔吐回数は少なかった.この原因として精神的因子の関与が示唆された.
またわれわれの調査によると,CDDP投与前の心理状態は対象症例30症例中,緊張・不安36.5%,期待・安定63.5%であった.CDDP投与後,食事摂取率回復経過を分析すると,CDDP投与2週後でもCDDP投与前の食事摂取量に達しなかった.
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