癌と駆けっこ・7
静養中の日々,受洗まで
刑部 慶子
pp.804-807
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921467
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
実家にて衰えた体にこたえた退院直後の日常生活
退院し,実家に帰ってみて大変に驚いたことがある.それは,退院前に充分体力をつけたつもりだったのに,全然体力がついていないということだった.退院直前には30分位続けて歩いても疲れなくなっており,階段の昇り降りなども隨分できるようになっていた.ところがいざ実家に帰ってみると,畳から立ち上がるのも一苦労なのである,今まで病院暮らしで,ベッドと椅子式の生活だったし,トイレも洋式だったから,床から立ち上がるということがほとんどなかった.そのため,大腿の筋肉がすっかり衰え,立ち上がれないのである.
初め,母は2階の部屋に床を用意してくれたのだが,あれほど鍛えたはずなのに階段の昇り降りがきつく,1日でへばってしまった.そこで1階の部屋にベッドを用意してもらうことになった.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.