Japanese
English
解説
芸術と脳
Art and the brain
川畑 秀明
1
Hideaki Kawabata
1
1鹿児島大学教育学部心理学研究室
pp.320-325
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100053
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
芸術(アート)は現代では特別なものではなく,われわれの生活の一部となっている。絵画,音楽,映画や建築(生活空間)など,われわれは様々なかたちで芸術を鑑賞・創作している。人はなぜ芸術を愛するのだろうか。また,人はなぜ美しいと思い感動するのだろうか。哲学の長い歴史の中でも「芸術とは何か」,「どのように美しさを感じるのか」という問題は繰り返し論じられてきた。
芸術を創造的に生み出し,豊かに鑑賞する主体は人間の脳にある。豊かな感情や道徳,経済などと同様に,芸術は他の動物に類のない豊かな人間性を支えるものの一つであろう。芸術の脳機能を探ることはこのような人間性の総合的理解においても重要な意味を持つ。また,芸術を創作するということは創作者の内的な信念や認識の表出であり,また,芸術を味わうということは創作者と鑑賞者との対話のプロセスである。つまり,芸術とはコミュニケーションの一つである。
Copyright © 2007, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.