和漢診療の実際・5
‘気’‘血’‘水’のはなし[3]—血について
寺澤 捷年
1
1富山医科薬科大学附属病院和漢診療部
pp.570-573
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921414
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‘血’とは
もう3,4年前のことになるが,私が外来診療を終えて医局に戻ろうと病院の廊下を歩いていると,同じく眼科の医局へお帰りになる女医のK先生とバッタリ出会った.K先生は登山にご一緒したりして,昔から親しい先輩のお1人だが,突然‘人参を買うために娘が売られたって,本当ですか?’と真顔で尋ねられたのにはビックリした.
‘江戸時代には,朝鮮人参はとくに貴重で高価でしたから,そんなこともあったかもしれませんね.でもね先生,このごろは栽培技術が進んで,日本でも朝鮮でも沢山採れますから,それほど高価ではないですよ.うちの病院では健康保険でカバーしてるんですから’とお答えしたら何となく安心された様子だった.
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