ぼけの臨床・13
ぼけのいろいろ—[3]硬膜下血腫,甲状腺機能低下症,下垂体前葉機能低下症,一酸化炭素中毒,仮性痴呆
井上 修
1
1大阪警察病院神経科部
pp.574-577
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921415
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前号,前々号では初老期,老年期に特有のぼけについて述べた.老年痴呆,脳血管性痴呆,アルツハイマー病,ピック病などは,この時期の代表的なものである.それだけに,この年齢でのぼけを前景にした患者を診ると,ついこれらに考えが固着してしまって,他の疾患を見落とし勝ちである.老年期にもぼけを伴う疾患は沢山あり,たとえ頻度は低くても,的確に診断し適切に治療すれば著効を示すものがあるだけに,安易に“老人ぼけ”と決めてしまってはならない.それらのいくつかを述べてみよう.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.