ベッドサイドの看護
孤立していた長期入院患者が他患者と交流を持つに至るまで
渡辺 栄子
1
1国立療養所東松本病院
pp.543-547
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921408
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はじめに
当病棟では,1年以上の入院生活を送っている患者が全体の70%を占めている.入院が長期になるにつれ,家族も高齢となり健康上の理由などから患者とのつながりが薄れがちとなる.
当事例のTさんは,肺結核で右上葉切除術後に両肺アスペルギルス症となり,血痰喀出,喀血をくり返し23年間の長期人院生活を送ってきた.この間,許可があるのにもかかわらず15年間外出・外泊がなく,また他患者とトラブルも多く自己中心的で孤立傾向にあった.
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