ベッドサイドの看護
拒否,攻撃のある患者とのかかわりを通じて精神科看護を考える
内貴 逸子
1
,
里中 ヨオ子
1
1湖南病院
pp.657-661
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921108
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はじめに
患者から拒否や攻撃を受けることは,精神科で働く私たちの日常において,しばしば遭遇することである.患者の攻撃は,妄想に基づくものであったり,歪んだ形での愛情の要求や,怒り,敵意などの否定的な感情によるものであったりする,攻撃の中には,暴力で表現されるものや,相手を言葉で罵倒して不愉快にさせたり,侮辱したりするものがある.
A子は,‘自分は病気でない’‘お金がかかる’と言い,血圧測定や血液検査,また日常の私たちの援助を拒否し,看護婦,とりわけ既婚のH看護婦に対して‘卑しい,いつまで仕事するのか’などと罵倒することが多かった.同室の患者への不満もよく訴えてきた.
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