特集 臨床助産婦のジレンマ
児の治療を拒否した両親とのかかわりをふり返り,看護の役割を考える
高野 ひとみ
1
1市立札幌病院
pp.112-115
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900505
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はじめに
胎児診断技術の進歩と普及により,出生前に胎児のさまざまなことが,診断されるようになってきた。当市立札幌病院でも,未熟児センターがあり,なんらかの異常が発見されると,その治療を目的に,母体搬送されるケースが多くなっている。
胎児に異常があるらしいということを知らされ,ショックを受け不安を持つ妊婦や家族に対し,私たちはどのようにかかわっていったらいいのか。胎児に,重症の奇形や疾患が疑われる場合,いつ,どの程度妊婦に告知するのか。分娩までの精神面への配慮など難しい問題がさまざまである。また出生後も,障害のある児を持つ親に対して,どのような援助が可能なのか右往左往する毎日である。
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