インフォメーション 新しいナーシングケアのために
行動療法
山上 敏子
1
1国立肥前療養所情報行動障害センター
pp.623
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921100
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行動療法は心理学的治療法(心理療法)の1つである.まだ歴史は浅いがそれまでの心理療法とは少し違った考え方に基づいている.基になっているのは‘精神の活動.すなわち,考えや感情や振る舞い方などの種々の行動は体験によってつくられ,変えられる(学習)とする考えである.
また,行動療法では,行動をそれだけではまとまりのある精神の活動とは考えていない.行動は行動を起こさせている,行動に先行している環境と,その行動が起こることで結果される環境の変化との因果関係でとらえることで初めて精神の活動として意味を持つことになる.行動をつくったり変えたりすることは,この因果関係を変えることである.したがって行動療法は,精神の活動を,環境との因果関係でみる人間理解法を持っているということにもなる.
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