一頁講座 リハビリテーション関連用語
行動療法
山上 敏子
1
1国立肥前療養所臨床研究部
キーワード:
行動療法
,
問題指向的
,
行動医学
Keyword:
行動療法
,
問題指向的
,
行動医学
pp.1299
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108530
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行動療法は,「学習」をキーワードにした複数の理論的な基盤と,多数の技法をもった心理療法である.1959年に,多くの,行動の変容に関しての理論や技術や評価の仕方の臨床応用に,体系的な心理的治療法としての概念を与えられて,出発した治療法である.その後,臨床の種々の要請に応じていく過程で,理論や技術を追加し修正しながら発展して,現在にみるような大きな治療法になった.数年前からアメリカの行動療法学会の機関紙である「Behavior Therapy」の表紙には,表題の下に,「行動科学と認知科学の臨床の諸問題への応用」とサブタイトルが記述されている.最近では認知行動療法という名称が行動療法と同義語として用いられていることもある.
現在,行動療法の理論は,新行動SR仲介理論,応用行動分析理論,社会学習理論,認知理論に大別され,それぞれが多くの治療技法をもっている.これらの理論モデルはお互いに対立するものではなく,ある理論は不安の学習に関して優れていたり,他の理論は思考行動の学習をよく説明したりなど,相補っているところが多い.実際の治療では,これらを,そのときの目的に応じて使い分けたり,同時に用いていることが多い.
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