ベッドサイドの看護
大理石症患者の看護—左大腿骨頸部骨折を起こした事例から
原田 弘美
1
,
小桜 恵美子
1
,
宮田 智栄子
1
,
椿谷 佳代
1
,
甲斐 友恵
1
,
時本 玉枝
1
1大阪府立病院整形外科病棟
pp.300-302
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921028
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はじめに
大理石症とは,全身性に骨硬化を来し,臨床的に易骨折性,脳神経症状を現わすまれな疾患である.大理石症と思われる最初の症例報告は1763年で,原因・治療法はまだ確立されていない.
大理石症は,2型に区別される.1つは悪性小児型であり,予後は不良で胎生死,または生後数年以内に死亡することが多い.もう1つは,良性成人型で,青年期に骨折や貧血.視力障害・眼球突出・眼振.難聴.顔面神経麻痺などの脳神経障害を主訴とする.う歯により上顎あるいは下顎に骨髄炎を引き起こすこともある.X線写真では全身骨格における骨陰影の著明な増加が特徴的であり,骨髄穿刺は皮質が硬く困難である.骨折は普通横骨折で,‘チョークが折れるごとし.ガラスが割れるごとし’と形容される.
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