特集 末期肺癌患者とのかかわり方を考える
放射線治療により間質性肺炎を併発した患者への看護
飯嶋 かつ
1
,
島 和子
1
1国立療養所晴嵐荘病院
pp.1378-1382
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920950
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はじめに
肺癌は各種臓器癌の中でも近年増加の傾向にあり,治りにくい癌の1つといわれている.そのため早期発見,早期治療が呼ばれているが,まだまだ肺癌が発見された時は既に手遅れの状態にあることが多い.肺癌は比較的早期に血行転移を起こすことがあり,転移箇所によってさまざまな症状を呈してくる.中でも呼吸困難は,患者に生命の危機を強く感じさせるものである.
呼吸困難は,原発巣の増大,あるいは肺内転移巣の増大などによる呼吸面積の減少,または太い気管支の閉塞に起因し,呼吸困難の程度は徐々に進行する場合が多い.しかし,免疫機能の低下している患者では,化学療法または放射線治療中に間質性肺炎を併発することがある.
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