特集 褥創のケア—戻るべき看護の原点
基本的看護が重要な老人の褥創ケア
大淵 律子
1
,
巻田 ふき
1
,
賀集 竹子
2
1東京都老人総合研究所看護学研究室
2東京都老人総合研究所看護学研究室
pp.1231-1238
発行日 1984年11月1日
Published Date 1984/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920920
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褥創は,身体の局所に圧迫が長時間加わることで発生する組織の圧迫壊死の状態をいい,長時間の同一体位を余儀なくされる場合に発生しやすい.老人の場合には,脳血管障害により,寝たきり状態になりやすいだけでなく,心身の老化により,さ細なことをきっかけに寝たきり状態になる場合も多く,褥創発生の危険性が高い.
褥創の発生は,日常生活において,身の回りの看護がいかに行われるかによって左右される.例えば,寝たきりになった場合の体位変換,筋の萎縮や関節の拘縮予防,身体や寝衣・寝具の清潔,失禁時の対処,食事・栄養補給などのケアが,重要な要因となる.そして,それらのケアが,総合的に,継続的に実施されてこそ,褥創予防や治療の効果が期待できる.
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