特集 リハビリテーションとしてのストーマケア
ストーマ局所の術後ケア—セルフケアに向けての援助
阪本 恵子
1
1産業医科大学医療技術短期大学看護学科
pp.884-890
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920844
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リハビリテーションとしてのストーマケア
ストーマを造設することの必要性を告げられた時点から,患者は否応なくストーマと対峙し,自分の身体の一部として受け入れ,ストーマとともに今後の人生を送ることを余儀なくされるわけである.そして,通常の生活を取り戻し,心の安定を得るまでには,長い長い過程が必要になってくる.そしてその過程の途中で様々な厳しい課題に直面し,それらのひとつひとつを克服していくための,間断のない努力を求められることになる.一方,家族もまた患者とともに同様の過程を歩むことになる.
これらの課題に取り組み,克服していく主体は,あくまでも患者自身であるが,患者を取り巻く周囲の人々,家族,医師,看護婦,MSW,医療メーカー,行政官など,関連する人々の理解と協力は重要である.とくに家族は,患者の最も身近に存在する人として,その役割は大きい.また,医師や看護婦は,ストーマケアの専門的な知識や技術を提供する立場から,ストーマ患者がストーマとともに新たな生活への適応を,その人なりに果たしていけるよう,側面から援助する役割を担っている.
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