痛みの臨床・3
痛みの治療の歴史[2]—慢性痛への挑戦
中島 美知子
1
1ニューホープ・ペインセンター
pp.809-812
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920827
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恐ろしい破壊力のある慢性痛
現代の痛みの分野における際立った進歩は,第2次大戦後,急性痛と慢性痛を病因,病態生理,機能,診断,治療において全く異なる概念として区別するようになったことである1).
急性痛は手術創痛や心筋梗塞痛のように明確な組織損傷が存在し,その侵害刺激が中枢に送られる.臨床的に,痛みは正しい診断・治療に導く警告としての積極的意味づけを持つが,病気の治癒に伴い痛みも消失する.
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