CHECK IT UP 日常ケアを見直そう・23
注射[1]—点滴 安易に多用されるなかで忘れられている安全性とケアへの視点
千原 延子
,
看護ケア再検討グループ
pp.1212-1213
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919986
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点滴における安全性への配慮は?
最近,点滴でカロリーを補うという高カロリー輸液の普及で,どの病棟でも,点滴の施行本数がずい分増えたのではないかと思う.術前・術後の患者はもとより,老人でも,食欲低下,脱水,肺炎などに対して,安易に,1日2-3本の点滴が行われる.針も,そのたび毎に刺し換える必要のないように,静脈留置針,静脈切開,鎖骨下静脈穿刺等の方法がある.この方法は,静脈が常に確保されているので,栄養補給だけではなく,各種の薬剤を注入するルートとしても,治療上有効かつ便利なものとして多用される傾向にある.
ある外科病棟での話.術前,術後,術後の再入院の患者を含めて,40数床のこの病棟には,早番の看護婦(点滴当番係)が毎日1人いる.広い処置台の上には,100本近い点滴のボトルが並んでおり,それらを1日がかりで交換したり,滴下速度を調節したり,翌日分を準備したりする.その他にも医師の指示により輸血製剤の準備から施行まで行うのである.
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