思春期の臨床・8
治療のあり方[1]
小倉 清
1
1関東中央病院精神神経科
pp.1409-1412
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919738
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いろいろな問題提起をしてくる思春期の人々に治療的なかかわりをもっていくとき,どんな事柄に留意すべきかについて考えてみよう.精神科における治療は,ほかの科におけるそれとは違っている点があるものと考えられる.
精神科の治療は,その中に全く個人的な面を含んでいる.個人的というのは,個々の治療者によってもそれぞれに違ってくるという意味である.基本的な原則というものは考えられるとしても,実際には個々の治療者によって患者への接し方は微妙に違ってくるであろうし,患者のほうでもそれぞれの治療者に対して違った面を出してくるものである.治療者の治療者としての資質の問題,治療に対する心構え・覚悟の問題,具体的な治療方法の問題などがからむということもある.
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