EDITORIAL
内科のあり方
冲中 重雄
1
1虎の門病院
pp.329-331
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201206
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がんじがらめの状況……しかし
内科のあり方という題である。内科学のあり方,内科学教室のあり方などについてはすでに何回もあちこちで書いているので,同じことをあまり繰返したくない気持である。
日本の社会では,いろいろな課題について,どうすればよいかというあるべき姿については至る所で繰返し,繰返し論議され,あるべき形については多くの問題について識者の間ですでに頭の中で,あるいは書きものの上ででき上つているのである。われわれの周辺は,しかし,現実の問題として具体的に解決し,作りあげていくことがなかなか困難なような社会の状態になつている。一つには,われわれ日本人の保守的な性格によるものであろうが,一つの課題を解決しようとすると,いろいろな問題がからんできて,どうにも動きがとれなくなるらしい。われわれの周辺にはこのような課題が大小たくさんあつて,しかも,その多くのものはあまり解決されないままになつている。
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