特集 婦長はいま……
婦長は語る
周りとの緊張関係を大切にしながら
大淵 誠一
1
1鶴ケ丘病院
pp.1369-1372
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919732
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
‘婦長は語る—その生活と意見’というテーマについて考えたとき,いかに自分に主体性がなく周囲の状況に流されながらその日その日を生きてきたか,いやというほど反省させられた.過去,本誌1981年6月号`マイ・オピニオン’に,自分と関係ないところでさりげなく病棟の雰囲気を書いたり,また一方では精神医療1981年5月号に,看護人時代のことを,やはりさらっと書いてしまったことがある.
私が周囲の人たちをはらはらさせながら突っ張っていること,周囲にいやな思いをさせながらも格好よくやっていること,それでも支えてくれる人がいて,日の私があることなど,少しは分かっているつもりだが,同じことを繰り返している.しかし本音は出せない,それは私のわがままを露呈することにつながるからだろうと思う.その他にあるとすれば,多くの職種を抱えた病院の人間関係の複雑さに無意識のうちに制約されてしまうのかもしれない.例えば看護スタッフだけを考えてみても,中途採用の人が大部分だし,それに資格取得の多様さ,個々の生活体験の重さ,違いなど挙げたらきりがない.このような中で何かを書く,発表するということは,かなり向こう見ずな性格だろうと思う.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.