特別インタビュー
らいの方々によって私は生かされた—長島愛生園での26年間のらい看護を語る
上田 政子
1
,
吉見 輝之
1国立療養所長島愛生園
pp.680-683
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919581
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我が国でのらい患者数は1980年末で9477人と1万人を割り,1980年の新患者は全国で37名.患者の平均年齢は59歳となり,老齢化が進んでいる.新患者発生がなくなるのも時間の問題となっている.近い将来,全国のらい療養所も閉鎖され,らいはかつてあった病として語られる日も遠くないであろう.業病,天刑病として恐れられていた時代から,近代になって伝染病とわかり,強制隔離入院の悲しい歴史をたどり,現在では,多くの社会復帰者もみられるようになってきた.
らいの治療史とともに,患者を介護する看とり手の歴史も始まった.軽症の患者が重症者を看護するという長い歴史の後に,近代的な看護が本格的になされ始めたのは,1955年ごろからである.
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