ビバ!ラプラタ アルゼンチンの日系人とともに・12
アルゼンチンでの生活を終えて
藤原 美幸
pp.1434-1436
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919430
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マス=オ=メノスとアスタ=マニヤーナ
看護学校以来の友人が,帰国を目前にした12月にパタゴニア地方を旅行したいとやって来た.彼女らの通訳も兼ねて約2週間の団体旅行に加わり,フェゴ島までの想い出多い最後の旅をした.50名弱のツアーメンバーは,私たち3人以外は恩給生活らしきアルゼンチン人の老夫婦であり,珍しさと親切心からとてもよく面倒のみてもらえた快適な日々であった.
パタゴニアは最後の秘境とも言われる荒涼とした乾燥した礫片の平原が広がる不毛の地であり,パタゴニア羊毛と近年は石油が脚光を浴びているが,まだまだ我々にとっては想像しがたい地でもある.まず氷河国立公園の“アルゼンチン湖”でアンデス山脈からの氷河を眼前にして,光線の具合で澄んだ青色に見える氷河の美しさと,静寂に時を忘れた.更にマゼラン海峡を越え,南緯55度の世界最南端の町ウスアイアへ.この町はビーグル海峡に面した自由貿易港でもある.立ち寄った土産店で日本製のペンギン等の土産品に複雑な心境になってしまった.
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