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第4回アルゼンチン連合地方学会(Congress of Argentine Federation of Gastroenterology)と第5回アルゼンチン内視鏡学会とが,Cordobaで4月28日~5月2日の5日間開催され,これに参加する機会をえたのでその印象を報告したい.前者は,アルゼンチン消化器学会がBuenos Airesを中心に2年に1度開かれるのに対して,Buenos Aires以外の地域が連合して,それに対抗して結成された会で,やはり2年に1度の割合で開かれている.Cordobaはアルゼンチンでも最も古い都市の1つで100万の人口を有し,ジェスイット派が建てた教会を中心にした静かな都市であるが,日本ではマルコ少年が“母を尋ねて三千里”の旅をした目的地として以外にはあまり知られていないであろう.
会場は大学内の2つの講堂と9つの教室が使われ,600~700人の参加で華やかさはないが,西⇔英,西⇔独の同時通訳が行われているのには驚かされた.これはアルゼンチンの学会では欧米からの招待参加者が少なくないためで,今回も日本からの4人(遠藤,堺,大藤,武藤)の他に,英,米,独,仏からの参加者があったので,一見国際学会のようであった.Classenは予定変更で来られなかったが,Elster,Marstonらの大物の顔もみえた.8.00~8.50がfree paperで,その後は大講堂では特別講演,シンポジウム,ラウンドテーブルディスカッションなどが,教室ではワークショップや専門家を囲んでの質疑応答(tea with professor)などのプログラムが組まれており,p.m.8.30が終了時間である.シンポジウムにはやたらに多数の名前が載っているが,キャンセルする人が少なくなく,演者の数よりPresident,Director,Coordinator,Secretaryなどのお偉方の数の方が多かったりするのは,いかにもラテン系,ヨーロッパ風であるが,こういう学会では余りそのようなことを気にせず,臨機応変にスライドの枚数を加減できないととても務まらない.
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