バイタルサイン・21
血圧[6]—労作と血圧
道場 信孝
1
1ライフプランニングセンター研究教育部
pp.1324-1325
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919406
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労作によって身体の酸素需要は高まるので,心臓はそれに見合った血液を末梢へ送らなければならない.そのため心拍数は増し,血圧は上昇するが,これらの反応は,運動の強さに比例しており,健常者の場合,それらの反応の幅がおおよそ決まっている(図1).運動中の血圧は,心臓のポンプ機能を表す最も簡単な,そして信頼しうる指標である.安静時には現れない潜在性のる機能異常が,運動によって顕在化する場合を労作性心不全と呼ぶが,労作時に生じる胸部圧迫感や息切れ,異常な疲労は通常,労作性狭心症の主要症状であり,これらが病態生理学的に左室のポンプ不全を表すものであることがある.
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