特集 老人のターミナルケア・2
複雑な家族背景をもった患者の在宅療養への援助
根本 三代子
1
,
瀬木 静子
1
,
久保田 睦子
1
1信州大学医学部付属病院整形外科病棟
pp.828-833
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919019
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はじめに
私たちは1973年から1979年の間に,リハビリテーション施設へ入所不可能とされた6人の頸髄損傷患者に対して在宅療養を試みた.そのうち5人は幸い家族の協力のもとで落ち着いた療養生活を送っているが,家族関係に大きな問題があり,不安はあったけれども,患者の強い希望で在宅療養となったY氏は,退院後6か月目に急性肺炎を合併し,死の転帰をとってしまった.この患者に対する援助のあり方について,もう一度ふり返って考えてみたいと思う.
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