特集 患者の参加した死への援助—交流分析を用いての試み
研究会参加後の患者の内面的変化
間瀬 美知子
1
1国立療養所東京病院
pp.718-720
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
みんなの前で‘神を信じ,すがりたい’と語った翌日から,Ⅰさんは信仰を積極的に求めるようになった.もともと芸術家で思索家であった彼は,宗教書を以前からよく読んでいたそうである.また晩年,彼の描いた絵のテーマは,空とか風とかという透明感にみちたものであり,究極的なものを求めていたと奥さんは語る.
ホームドクターの小林医師がカペナウム病院の院長であり,そこへの入院中にも聖書にふれたようであった.彼も語ったように,クリスチャンである小林医師への尊敬は大きなものであり,その紹介で同じ信仰をもつ主治医に対しても信頼を寄せてくれた.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.